開戦編(プロローグ)











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※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切かかわりがありません。



【明治日本マメ知識】(敬称略)

(※並行世界であるマンガ本編とは何ら関係ありません)
(※wiki読んだという程度の知識で書いてます。誤り等ありましたら、ご指摘お願いします。)


●日露戦争

1904年(明治37年)2月6日から1905年(明治38年)9月5日まで、大日本帝国とロシア帝国との間で戦われた戦争。おもな戦場は、陸では朝鮮半島北部から満州(中国東北部)南部にかけての地域、海では黄海と日本海。司馬遼太郎の『坂の上の雲』の題材となった戦争でもある。

戦争は日本の勝利で終わったとされるが、講和会議でロシア側は負けてないと主張、戦争賠償金を得ることはできなかった。この戦争については、日本の大陸侵攻の意図のもとに行われた帝国主義戦争だという評価と防衛戦争だという評価がある。『坂の上の雲』では両論併記の形が取られている。

どちらにせよ三国干渉および義和団事件などで露骨となったロシア帝国の中国・朝鮮半島への勢力拡大意図をくじく目的で行われた戦争であることには違いがない。


●開戦直後の動き

日露戦争の日本陸軍の最初の作戦行動は、先遣部隊(第12師団木越旅団)の朝鮮半島の仁川への上陸と京城の制圧であった。その意図は開戦前に「局外中立」を宣言した大韓帝国に対し、朝鮮半島内での日本の軍事行動を可能とする条項(日韓議定書。2月23日)を締結させることであった。

当時、韓国では親露派と親日派の双方が一定の勢力を形成しており、日露戦争の推移次第では親露派が勢力を盛り返し、日韓議定書が破棄され、日本軍が後方から崩壊する恐れもあったとされる。あるシミュレーションゲームでは、その状況も敗北条件に盛り込まれている。、


●戦争の指導体制

日露戦争の作戦は、満州軍総司令部によって指揮されていたといわれている。司令官の大山巌と参謀長の児玉源太郎の名声はこの戦争を機に大いに広まることとなった。たとえば太平洋戦争後に日本の軍人の銅像を取り壊す際、マッカーサーは、大山巌をナポレオンと並ぶ名将として尊敬していたことから、これを取り壊さなかったという逸話がある。

ただし、作戦全体を統括する大本営も当然ながら存続していたため、現場は、特に旅順攻略を行う第3軍は、二重司令体制のもとに置かれる羽目となった。なお、満州軍の設置は開戦3ヶ月後のことであり、開戦当時は大山巌は参謀総長、児玉源太郎は参謀次長の地位にあった。


●「コダマがいれば…」

小説『坂の上の雲』において、児玉源太郎は「天才」として扱われている。それを印象付ける逸話として、日本の陸軍大学校で教鞭をとっていたドイツ(プロイセン)のメッケル少将が、日露戦争の開戦時に新聞記者に対して「コダマがいれば、日本は大丈夫」という趣旨の発言をしたという話が紹介されている。児玉は陸軍学校長の身分としてメッケルの講義を聴講していたが、その理解力は誰よりも優れていたという。

また、児玉の「優秀ぶり」を伝える開戦時の他の逸話として、「児玉はすでに優秀な作戦家として国際的な知名度があったので児玉の参謀次長就任によって、他国の武官は日本の対露の開戦の決意を読み取った」というような話も同様に紹介されている。

どちらの逸話も真偽は確かではない。

しかし、前者は、一教官としての教え子へのエールとして(日露戦争中もメッケルと児玉はやり取りをしていた)、後者は児玉の参謀次長就任が異例の降格人事であったことから、児玉が優秀であるかどうかに関わりなく、またその名声が国際的に響いていたかどうかに関わりなく、ありえる話ではある。


●『坂の上の雲』について

日露戦争を記述した小説。はじめは明治日本の合理的精神あふれる若々しい青年群像を描きたかったようだが、後半から完全に日露戦争の軍記物(架空戦記)となる。上記の日露戦争の評価や、第3軍の乃木司令官の評価など論争的な問題作でもある。

ただし、小説は歴史書では決してなく、誰でも確認できるような資料でも確定している事実類(作戦行動やその日にちなど)はともかくとして、逸話の類やそれによる人物評、歴史評価については疑ってかかったほうが無難。もちろん、司馬本人はあくまで小説家としてのスタンスを崩していないので、「ウソだ」として責めるのも見当はずれに思われる。

虚実を織り交ぜ、独特の調子でもっともらしく展開し、特に初見の若い読者に「おお!そういうことか!」と納得させる文章力が罪と言えば罪である。大人になって読み返してみると、 むしろ司馬的ファンタジーワールドと現実とのギャップ、また司馬本人もそれに気がついて右往左往する筆致などがかえって味わい深い。



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