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※この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などには一切かかわりがありません。



【明治日本マメ知識】(敬称略)

(※並行世界であるマンガ本編とは何ら関係ありません。読まなくても本編の理解には何の差支えもありません。)
(※wiki読んだという程度の知識、ソースはほとんどネット(しかも特定しません)。で書いてます。話半分で読んでください)

(※くだらない私見はいってます。適当に読み流しorツッコミくださいませ。)
(※誤り等ありましたら、がんがんご指摘お願いします。いろいろ教えてもらえると描いてるかいがあります)

●『坂の上の雲』

 本作の読者にとってはおそらくいわずとしれた司馬遼太郎の小説。
 日露戦争を中心的な題材としているが、当初は、伊予松山が産んだ俊英
 秋山好古・真之兄弟の物語としてはじまった。
 なので全8巻中1巻は、ほぼこの兄弟の松山時代、また上京時代のエピソード。
 戦記物を期待していたものにとっては、肩透かしを食らわせられた感じだが、
 もともと司馬遼太郎は、戦争そのものを描きたったのではなく、
 この二人を通じて、近代日本の建設過程、欧州の技術をどんよくに吸収し、
 試行錯誤をしていく、みずみずしい技術官僚としての二人の物語を描きたかったようだ。
 『坂の上の雲』というタイトルも、そうした側面の担い手達に捧げられたものであろう。

●秋山好古と真之

『坂の上の雲』において、秋山好古は、時代劇的な「漢」として描かれる。
美形だが、余分を好まず、男はただシンプルであればよい、服装とかには無頓着というような。
着替えが少なかったとか、酒好きだったとか、お風呂きらいだったりとか、
ほとんど奇人のレベルで描かれる。
この小説の影響下にあったとおもわれる江川達也『日露戦争物語』、序盤で挫折したけれども
そういう秋山兄弟のやりとりも描かれていて、不気味な絵柄やトーン使いとあいまって
非常に異様な雰囲気を漂わせていた。

こうした「好古像」の真偽はわからない。
日頃の振る舞いについても、具体的な資料があったのか
資料の隙間がぽっかり空いたところに司馬遼太郎的方法、あるいは想いを
ねじこんだのか。

私は後者を疑ってはいるが、家庭内での振る舞いや言動に
もし資料的な、あるいは口伝の根拠があったとするならば
その情報の発信源は東京時代に寄宿していた秋山真之の伝にほかならず
この優秀な弟の兄がたりが、秋山好古像を大きく形作った可能性がある。

つまり、ここに秋山真之ブラコン説を提唱したい(笑)。
そら、生活の保護者にして、上京者、陸軍士官学校第3期生、陸軍大学校第1期、フランス留学
ともなれば、この頭の回転の早い弟が多感な時期に受けたインパクトは多大なものだったろう。


●天保銭組

てんぽうせんぐみ。
陸軍大学校の卒業生を指す陸軍内の俗称。
児玉源太郎が初代校長となった陸軍大学校。

陸軍組織の昇進体系は、
藩閥重視から、やがてこの学歴と成績を至上とする組織へと変わっていく。

政治的にうがった見方をすれば
長州とはいえ、支藩出身また山縣閥の外から成り上がってきた児玉が、
既存の藩閥に頼らない子分集団を作ったとみることもできよう。
実際、ここ出身の陸軍エリートが湖月会に合流し、一種の児玉閥を形成しているようにも見える。

地方の佐幕藩出身にして、大将にまで昇進する(元帥号手前の噂もかなり信憑性があったらしい)
秋山好古は、そうした潮目の変化を象徴する人物であった可能性がある。

もっとも、秋山好古は一期生だったので、
彼の卒業時にはまだ天保銭組という表現はなかったものと思われる。
最近見たアニメ『ジョーカー・ゲーム』でやたら揶揄的に使われていたから
自分もそのことばを使って見たくなった。

●秋山好古の容姿

美男子で長身であったということである。
写真で見ると確かに日本人離れしている。
『坂の上の雲』がNHKのスペシャルドラマかする際も、
日本人離れした長身の俳優が起用されている。

『坂の上の雲』でも美男子ということになっている。
まだインターネットが発達しておらず、今日流通している見栄えのいい肖像が簡単に見れなかった幼少の頃
なにかの雑誌で集合写真に映る秋山好古を見て、子供心にがっかりした記憶がある。

歴史ファンは誰もが一度は通る道であろうか。

●秋山兄弟の生活

秋山真之は、太政大臣になることを夢に、とりあえず大学予備門の合格をめざし、上京する。
好古がフランス留学をするまでは、一緒に生活していたようだ。
上記奇人エピソードはだいたいこの時期のものと思われる。
とにかく貧乏で金がなかった、お金があってもお酒でなくなってたみたいな事情、
また加飾を極度に嫌う秋山好古のキャラ付けから貧乏自慢的な話が多い。
(出典不明だが、司馬遼太郎『坂の上の雲』ほか、この兄弟に関わる本では
 かなりの頻度でこのあたりのエピソードが用いられる)(これについてはいずれふれたい)

そのなかの一つに、秋山家には、お茶碗が一つしかなく
弟がそれでご飯をたべ、兄がそれでお酒を飲んでいたとか。

ほんまかいな。

●秋山好古の髪型

秋山好古はフランス留学中にチフスを患って
いったん毛髪を失ってしまうのだが
『坂の上の雲』では、長身で髪型の整った好青年として描かれる。

しかし、一方で「身だしなみには極端に気を使わない」という
キャラ付けもなされている。

その結果、
「身だしなみには気を使わないけれども、いつもなんとなくととのっている」
というずるいキャラが生まれることになる。

『坂の上の雲』では、弟真之に「よいおぐしをおもちで」と皮肉をいわしめ、
実は手ぐしで整ってたみたいはエピソードがあったように記憶している。

それにしても
昔のジャンプのまんがといい、
こういう時代劇といい
「身だしなみに気を使うことは男として恥」的な世界観、
古今どれほど多くの若者が犠牲になってきたことか。
そういう設定は、たいてい「そういうことをしなくともイケメン」
という設定とセットになっているのだ、と声を大にしていいたい。

身だしなみに気をつかわないオタクは、単なる(終

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